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アイスランドの土壌浸食調査

SM150Tセンサーを用いた侵食崖付近の水分動態解析事例

著者: ニック・カトラー博士(ニューカッスル大学)他
使用製品: SM150T土壌水分センサー、GP2データロガー

概要

土壌浸食はアイスランドの生態系に深刻な被害をもたらしており、気候変動によってさらなる悪化が懸念されています。ニューカッスル大学の研究チームは、アイスランド南部のハムラガルザヘイジにおいて、局所的な土壌水分レベルが断崖地形の侵食にどのような役割を果たしているかを調査しました。SM150Tセンサーによる精密なモニタリングにより、侵食地域と植物のストレス、そして浸食の加速プロセスの関連性を解明することを目指しています。

研究の仮説と目的

研究チームは、侵食の拡大について以下の「破壊的なフィードバック機構」という仮説を立てました。

水分変動による植物へのストレス: 侵食地域に近い植物は、土壌水分の激しいサイクル(湿潤と乾燥)によりストレスを受けやすくなります。

侵食の加速: 健康状態が悪化した植物は、土壌を保持して侵食を遅らせる能力が低下します。これにより侵食地域がさらに拡大し、近隣の植物をさらに弱らせるという悪循環が生じます。

実験方法:過酷な環境での非視覚的設置

2014年から継続監視されている侵食崖(ローファバード)において、崖の端から中心に向かって11.10メートルの横断線を設定し、9台のSM150Tセンサーを設置しました。

精密な埋設技術: 各センサーは地表から5cmの深さに水平に設置。設置後に元の芝生ブロックで覆い、ケーブルも溝を掘って埋め込むことで、野生動物や気候の影響を最小限に抑える「完全に隠れた」ネットワークを構築しました。

長期安定モニタリング: GP2データロガーと連動し、21ヶ月間にわたって合計15,095回もの測定を正常に完遂。アイスランドの厳しい条件下でも高い信頼性を実証しました。

調査結果と結論

2年近い観測データにより、侵食崖からの距離と土壌水分の明確な相関が示されました。

顕著な水分の差異: わずか11mの距離でありながら、年間平均水分量は17%(崖付近)から36%(中心部)と、2倍以上の差があることが判明しました。

崖端部の激しい変動: 崖に最も近いエリアでは水分の変動幅が最大となりました。これは激しい雨の浸透と、露出した堆積物の急速な乾燥が原因と考えられます。

結論

プロジェクトリーダーのニック・カトラー博士は、SM150Tの設置成功により「崖からの距離が増すにつれて土壌水分が増加する」という予測を裏付ける、ほぼ完全なデータセットが得られたと評価しています。この研究成果は、脆弱な地形における保護活動や気候変動対策のための重要な科学的基礎となります。

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