キャノピー解析システム SunScan
ブドウ栽培における葉面積指数(LAI)と水消費量・作物係数の相関解析事例
著者: Yishai Netzer博士 他(2009年『灌漑科学誌』掲載)
使用製品: SunScan キャノピー解析システム、BF5サンシャインセンサー
概要
最適な灌漑スケジュールを策定するためには、作物の成長段階に応じた水消費量(ETc)と作物係数(Kc)の把握が不可欠です。Yishai Netzer博士らの研究チームは、7年間にわたるライシメータ・プロジェクトを通じて、3種類の異なる灌漑システムで栽培されたブドウを調査しました。本研究では、Delta-T社のSunScanを用いて葉面積指数(LAI)を精密に測定し、LAIの季節変動が水消費量や作物係数とどのように相関するかを科学的に立証しました。
研究手法とSunScanの役割
ブドウの複雑なキャノピー構造において、迅速かつ正確にLAIを測定するためにSunScanが導入されました。
▶ 非破壊でのLAI直接表示: 作物キャノピーにおける光合成有効放射(PAR)のフィールド測定に基づき、LAIとバイオマス生産に関する貴重な情報を現場で即座に取得しました。
▶ 天候に左右されない安定した測定: 独自のBF5サンシャインセンサーを基準として併用することで、入射光の直射成分と拡散成分を同時に測定。晴天、曇天、あるいは刻々と変化する天候下でも一貫したデータ収集を可能にしました。
調査結果:LAIによる作物係数の推定
多年にわたるデータ蓄積の結果、LAIは単なる成長指標を超え、水管理の重要なパラメータとなることが証明されました。
▶ 高い相関関係の確立: 作物係数(Kc)とLAI、および水消費量(ETc)とLAIの間には極めて高い相関があることが確認されました。
▶ 実用的な管理ツールの提案: 著者らは「LAIを直接測定できる場合、それを作物係数(Kc)を推定するための追加ツールとして利用できる」と結論付けています。これにより、経験に頼らない精密な灌漑制御が可能になります。
結論
本研究は、SunScanが提供するLAIデータが、ブドウ栽培における水利用の効率化とバイオマス生産の最適化に直結することを実証しました。精密なキャノピー解析は、限られた水資源を最大限に活用し、高品質な収穫を維持するための科学的な基盤となります。