イエナ実験
イエナ実験:PR2プロファイルプローブを用いた長期生物多様性と生態系機能の研究事例
著者: イエナ実験(ドイツ研究振興財団資金提供)、UP GMBH
使用製品: PR2 プロファイルプローブ、HH2 ハンドヘルド読取ユニット
概要
ドイツのイエナにある10ヘクタールの敷地で行われている「イエナ実験」は、2002年から続く世界最大級の生物多様性研究プロジェクトです。100名以上の科学者が参加し、約600区画の人工草地を用いて、植物の多様性が生態系の機能や安定性にどのようなメカニズムで影響を与えるかを解明しています。この大規模かつ長期にわたるセンサーネットワークにおいて、Delta-T社のPR2プロファイルプローブが中心的な役割を担っています。
研究の成果:多様性がもたらす生態系への恩恵
長年の研究により、植物種の豊富さ(多様性)が、生態系において極めて重要な役割を果たしていることが実証されました。
▶ 生産性の向上: 植物種の豊富さが増すにつれて植物の生産性も向上し、多様性の高い草地ほど、より多くのバイオマスを生産することが判明しました。
▶ 生物間の相乗効果: 植物種が豊富なエリアでは、花粉媒介者の種数が増え、ミミズの活動も活発になります。これにより、土壌の物理構造が改善され、植物の根が雨水や土壌水にアクセスしやすくなるという好循環が生まれます。
▶ 人間の幸福への寄与: 多様な生態系は、収穫量の増加や土壌浸食の抑制など、人間の幸福にとって不可欠な機能を安定して提供できることが明らかになりました。
Delta-T PR2プロファイルプローブによる精密観測
プロジェクトのほぼ全期間を通じて、PR2プロファイルプローブは土壌水分という極めて重要なパラメータを、非破壊かつ効率的に取得し続けています。
▶ 深層までのプロファイル測定: 地表近くから深さ1メートルまでの土壌水分プロファイルを精密に測定。植物の根の活動と水分利用の動態を垂直方向に詳細に把握することが可能です。
▶ 広大な観測サイトのカバー: 施設内の合計240の実験区画において、春夏は毎週、秋冬は2週間ごとの頻度で、長年にわたる定期的測定が実施されています。
▶ 高い柔軟性と操作性: アクセスチューブを利用することで、設置型(長期間の連続測定)とポータブル型(複数地点のスポット測定)の両方の利点を活かし、広大な研究フィールドでの運用を容易にしています。
結論
科学コーディネーターのアン・エベリング博士は、「土壌水分は私たちの研究プロセスにとって不可欠なパラメータであり、PR2は表土より深い層の水分動態を把握するために長年欠かせない存在である」と述べています。Delta-T社の計測技術は、持続可能な未来を拓くための生物多様性研究という、科学的な壮大な挑戦を足元から支え続けています。