コラム

Column

理化学における光

古くから「光とは何か」という議論が盛んに行われてきました。

アイザックニュートンは光を粒子と考えていましたが、ジェームズマクスウェルが電磁波の存在を主張したことで「光=波、且つ電磁波の一種である」という意見が一時は優位になりました。その後様々な議論を経て、光は「粒子の性質」と「波の性質」を併せ持っているという結論に至りました。現在、光の吸収や放出が関連する分野では「粒子」、光の伝播に関わる分野では「波」として扱われています。

今回は「粒子の性質」にフォーカスします。

例えば光合成を検証する際に使う光の単位として一般的なものに、光合成有効光量子束密度 (Photosynthetic Photon Flex Density : PPFD)[mol/ m2・s]があります。

この単位は植物が一定時間内一定面積内に受ける粒子(光子)の量を表し、植物の光合成に有効な波長域の光のみカウントします(波長域400-700nm以外の光はクロロフィルから吸収されないためノーカウント)。

光の色(波長)によってエネルギー量は異なり、それは粒子として考えたときも同様です。

 

ただ、光合成で大切なのは「光の持っているエネルギー量」ではなく「光の粒が当たった数」であり、植物は光子のエネルギーのうち一定量しか吸収しません(余ったエネルギーは熱等に変換され放出)。つまり青色光と赤色光がそれぞれ同じ数葉っぱに当たったとしても光合成の量は同じです。

 

つまり、光合成分野における光管理では、「波の性質」にフォーカスした照度計(単位:Lux)ではなく、「粒子の性質」にフォーカスした光量子計(単位:PPFD)を使用する必要があります。

弊社ラインナップではUPRtek社、Hansatech社、PSI社、Optimum社の製品を使うことでPPFDの測定が可能です。

 

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