水中レンズの設計:高性能な水中イメージングを実現するための特注レンズ開発事例
水中レンズの設計:高性能な水中イメージングを実現するための特注レンズ開発事例
日付: 2021年6月8日
著者: Optikos Corporation(Justin Surgent)
概要
高解像度な水中映像の取得を目指していたクライアントに対し、既存の市販レンズ(NikonやCanon製)に補正窓を追加する当初の案ではなく、ゼロから専用レンズを設計・製造することで、コストと性能の最適化を実現した事例です。設計からわずか1年足らずで数百本規模の量産出荷まで到達しました。
新たなアプローチ:特注レンズの設計と開発
実現可能性テスト(フィジビリティスタディ)の結果、補正窓の追加はコストと複雑さの面で見合わないことが判明。Optikos社は以下の設計を提案しました。
▶ 完全アサーマル設計: 水中の過酷な環境下でもピントがずれない「アサーマル化(温度補償)」を施した高解像度イメージングレンズを開発。光学設計だけでなく、機構、カメラマウント、アライメント調整まで一貫して設計しました。
▶ 短期間でのプロトタイプ開発: 最初の接触からわずか4ヶ月で、光学・機構・電子系を統合した完全なプロトタイプのテストを開始。全体の開発スケジュールを遅らせることなく進行しました。
独自の検証と測定(メトロロジー)手法
「空気中で組み立てた水中用レンズが、水中でスペック通りに動作することをどう証明するか」という課題に対し、Optikos社はユニークな検証環境を構築しました。
▶ 「スイミングプール」による実証: 自社内に水槽(擬似プール)を設置し、初期段階での性能検証を実施。水中でしか発生しない光学的な挙動を実測データとして収集しました。
▶ 量産用カスタムテスト治具: 量産工程では水槽を使わずに済むよう、水中の対象物をシミュレートできる「特注の光学テスト治具」を開発。これにより、製造ライン上で100%の全数検査と全視野の性能確認が可能になりました。
動画で見る水中レンズ設計の解説
本事例に関する開発プロセスと検証の様子は、以下の動画でもご確認いただけます(英語)。
▶ [動画] Underwater Lens Design Case Study (Optikos公式ページ)
導入による成果
最初のコンタクトから6ヶ月で機能試作を完了し、3ヶ月後にはパイロット生産、さらに3ヶ月後には最初の350本の生産分を納品するという、極めてタイトなスケジュールを完遂しました。現在、マサチューセッツ州の自社工場にてカメラの統合から全数検査までを実施し、高い品質を維持したまま供給を続けています。